2013年12月19日木曜日

小林真理声楽マスタークラス開催報告

当協会の名誉会員、メゾソプラノの小林真理さんの指導による声楽マスタークラスは、去る11月3日(日)と翌4日の二日にわたって川崎の音楽練習スタジオと目黒区洗足駅近くのサロンフェリーチェにおいて開催されました。10人の受講生がのべ12枠を受講されるという盛況を呈したこのマスタークラスについてご報告させていただきます。


在仏生活既に30年にも及び、フランスとヨーロッパ各国を中心にオペラや歌曲、アンサンブルやオーケストラとの共演、古楽から現代作品に及ぶ幅広いレパートリーとジャンル(要するに"歌"の世界のほぼ全て!!)で活躍をされている小林真理さんのこれまでの歩みや、気さくで楽しいそのお人柄については、当協会ホームページに掲載中の彼女へのインタビュー(2013年4月末・都内某所にて実施)に詳しいので是非お読み頂きたく思います。


ストラスブール国立音楽院教授でいらっしゃり、ニースの夏期アカデミー他でも講師を務められる真理さんは、ご自身の演奏活動と並行して後進を育む教育活動にも熱心に取り組まれています。日本でのマスタークラスもこれまでに何度もされていますが、今回は初めて私たち日仏現代音楽協会主催の催しとして、その実施のお手伝いをさせて頂きました。


首都圏だけではなく関西から新幹線で駆けつけた方もいらっしゃる今回の受講生の皆さんの多くは、過去に留学や講習会などで彼女の指導を受けられた経験のある新旧様々なお弟子さん達で、それはマスタークラスという真摯な学びの場であったのは言うまでもありませんが、同時に真理さんの歌とお人柄に惹かれて、また切磋琢磨を共にした仲間との再会を楽しみに津々浦々より駆けつけた「小林真理ファンの集い」と錯覚してしまいそうなアットホームで温かい雰囲気に満ちたものでした。


コンサートやオペラ公演に向けた準備や、留学を視野に入れた相談、更には自身の歌の現状チェックまでを含め、様々な目的をもってこの場に集った受講生が携えてきたのは、バッハやヘンデル、ロッシーニといった古典からフォーレやドビュッシー、プーランクなどフランスものの定番、そしてファリャやレスピーギといったラテン系諸国の近代作品をも含む様々な曲目でした。それに相対する小林さんのレッスンは発声指導や単語の発音といった基本的で且つ声楽にとっては外せない事柄から、音程やリズムの正確さという音楽の演奏には共通の諸問題、更にはテキストの音楽的な表現という声楽芸術に固有の事象に至るまで多岐にわたり、受講生のお一人が言われた「真理先生はいつも自分たちの"今"に欠けているものや取り組むべき課題を的確に見つけ出し、解決策を示して下さる」という言葉がそのまま当てはまるものだったように思われます。


二日目には真理さんの旧いご友人でコレペティとして国際的にご活躍中の三ツ石潤司さん(下の写真左奥)が遊びにこられ、受講者と共に会場近くの瀟洒なイタリアン・レストラン(真理さんご自身がその朝会場に至る道すがらいち早くチェック済み....流石に美味しいもの大好きな真理さんの嗅覚は確かです!) にて楽しい昼食のひと時を共に致しました。


また今回は協会主催の催しとして、ご自身では伴奏者をお連れにならなかった受講生の方々のためには協会が伴奏者をご紹介することとなり、会員の石井佑輔さんと瀬川裕美子さん、そして拙いながらも筆者夏田を加えた3人がその任にあたりました。(下の写真と2枚上の写真のピアニストは、それぞれ伴奏されている石井さんと瀬川さん)


真理さんはマスタークラスに先立つ10月25日に、東京シティ・フィルの演奏会形式による公演でプーランクの「カルメル派修道女の対話」のクロワシー修道院長役を素晴らしく歌われたばかりでしたが、お疲れのご様子も見せず長時間にわたり終始熱心に受講生の指導にあたって下さいました。
今回のマスタークラスではまた、受講生のお一人でもある会員の高橋淑子さん(上の写真で歌われています)がインスペクターとして会場手配や諸連絡、プログラムの作成や楽譜のコピーなど多くの事務作業をお手伝い下さいました。
講師小林真理さんとインペク高橋淑子さん、伴奏者石井佑輔さんと瀬川裕美子さん、そしてご参加頂いた受講生の皆様にこの場をかりて深く感謝申し上げます。(事務局・夏田記)


2013年12月1日日曜日

会員の演奏会・講座情報(2013年12月)

夏田昌和個展

2013121日(日)17:20~プレトーク、18:00開演(17:00開場)
東京オペラシティリサイタルホール(京王新線「初台」駅下車)
チケット:一般 3,500円/学生 2,500(全席自由)

プログラム:
3本のフルートのための「春鶯」(トリオ版世界初演)
打楽器のための「草原のよろめき太鼓」
弦楽四重奏のための「内なる詩句」(世界初演)
「ノヴァーリスによる12声のコラール」
9楽器のための新作(世界初演) ほか

出演:
沼野雄司(プレトーク司会)
木ノ脇道元、多久潤一朗、間部令子(フルート)
鈴木生子(クラリネット)大石将紀(サックス・会員)神田佳子(打楽器)
佐藤まどか、竹内弦(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴァイオリン/ヴィオラ・会員)
花田和加子(ヴィオラ)松本卓以(チェロ)
飯野明日香、及川夕美(ピアノ)大須賀かおり(ピアノ・会員)
Angel von Novalis(声楽アンサンブル)夏田昌和(作曲/指揮・会員)



主催:夏田昌和個展実行委員会
協力:ジパングプロダクツ株式会社 跡見学園女子大学マネジメント学部イシカワゼミ
後援:日仏現代音楽協会 マザーアース株式会社



12eAVANCE
2013年12月13日(金)19:00開演(18:30開場)
大田区民ホール・アプリコ 小ホール(京浜東北線「蒲田」駅下車) 
チケット:2,000円
代表・主催:福士則夫(協会名誉顧問)

プログラム・出演
木下真一:高野喜久雄の詩による二つの歌~ソプラノとピアノのための
  矢野敦子(ソプラノ)小林えりか(ピアノ)
佐原詩音:二台のチェロとピアノのためのソナタ
  山本直輝、成田七海(チェロ)黒岩航紀(ピアノ)
中田美月:O Sonatine do Mar
   斉藤由香(フルート)大伏啓太(ピアノ)
萩森英明:稜線に沿って
  亀井庸州(ヴァイオリン)萩森英明(ピアノ)
真島圭:Crotchet Parade
  廣川抄子(ヴァイオリン)真島圭(ピアノ)
山田香:ASOBU-ASOBOU-ASOBEST~どうやって遊ぶ?ver.4.0
  新津耕平(テノール)小林昭裕(バリトン)谷合千文(ピアノ)
渡辺宏章:万葉・古今和歌集より
  長谷川愛子(箏)
※曲目、演奏者が変更になる場合があります。

東京現音計画
2013年12月16日(月)18:30開演(18:00開場)
洗足学園音楽大学シルバーマウンテン(南武線「武蔵溝ノ口」、大井町線ほか「溝の口」駅下車)
チケット:2,000円(全席自由)未就学児の入場はご遠慮ください。

出演:
有馬純寿(エレクトロニクス)
大石将紀(サクソフォン・会員)橋本晋哉(チューバ・会員)

プログラム:
ルイジ・ノーノ:後-前-奏曲第一番「ドナウのための」(1987)
松平 頼暁:ジェスタフォニー (1979)
有馬 純寿 :うつしのエチュードⅠ (2010)
スティーヴ・ライヒ:ニューヨーク・カウンターポイント(1985)
杉山 洋一:ファンファーレ(2011)
川上 統:羅鱶 (2013) 委嘱 ほか
※やむをえない理由により演奏曲目等が変更になる場合があります。

詳細情報:http://www.senzoku-concert.jp/concert/?concert_id=875&schedule_list_year=2013&schedule_list_month=12


主催:洗足学園音楽大学・大学院
制作:福永綾子(ナヤ・コレクティブ)


France Musique "Alla Breve"
2013年12月16〜22日(ラジオ放送)

プログラム:
Pasquale CORRADO "PULSE (per 6 instruments)"

演奏:Ensemble Multilatérale
指揮:阿部加奈子(日仏現代音楽協会代表)

詳細情報
http://www.francemusique.fr/emission/alla-breve/2013-2014/pulse-de-pasquale-corrado-pour-six-instruments-1-5-12-16-2013-00-00



Ensemble Multilatérale “Schizophrenia"
2013年12月18日(水)20:30開演
Conservatoire J-B Lully(5, rue Francis de Pressensé 92800 Puteaux)
チケット:無料(要予約:01 46 92 92 00

プログラム:
R. CENDO: Furia(2009) pour violoncelle et piano
J. TEJERA: Jardin vertical(création) pour clarinette*, piano, violon et violoncelle
F. BEDROSSIAN: La solitude du coureur de fond(2000) pour saxophone alto
C. IANNOTA: Al di là del bianco(2009) pour clarinette basse* et trio à cordes
Y. ROBIN: Schizophrenia(2006) pour clarinette en sib** et saxophone soprano

演奏:Ensemble Multilatérale
音楽監督:阿部加奈子(日仏現代音楽協会代表)
Alain Billard**, Benoit Savin*, clarinettes
Miguel Ángel Lorente, saxophone
Lise Baudouin, piano
Antoine Maisonhaute, violon
Béatrice Gendek, alto
Séverine Ballon, violoncelle




ROSCO's Atelier vol.1
~うたう音楽 語る音楽~
2013年12月19日(木)19:00開演(18:30開場)
杉並公会堂 小ホール(荻窪駅下車)
チケット:一般3,000円/学生2,000円

プログラム:
森田泰之進 : Zui, Zui, Zui (ずいずいずっころばし)
松本祐一 : Double Duo「女性についてどう思いますか?」
山本和智 : ドルドラムV 外示的変奏曲(委嘱新作)
松平頼暁 : 反射係数
湯浅譲二: 芭蕉の句による4つの印象風景 他

出演:
ROSCO : 甲斐史子(ヴァイオリン・会員)& 大須賀かおり(ピアノ・会員) 太田真紀(Sop.)



白井奈緒美サクソフォンリサイタル5「FLY 飛翔」
2013年12月21日(土)19:00開演(18:30開場)
アルファあなぶき小ホール(旧香川県県民小ホール)(JR線「高松」駅下車)
チケット:一般2,000円/学生1,000円

プログラム:
シュトックハウゼン:蝶
石田早苗(作曲・会員):秋津の舞(委嘱作品)
吉松隆:ファジーバード・ソナタ 
チャイコフスキー:白鳥の湖  編曲:神﨑えり(作曲・会員)
ほか

出演:
白井奈緒美(サックス・会員)李早恵(ピアノ)




講座「アンドレ・ジョリヴェをめぐって」
Conférence & Concert autour d’André Jolivet

12月22日(日)15:00 ~ 18:00 
KEN(田園都市線「三軒茶屋」駅または世田谷線「西太子堂」駅下車)
聴講料:2,000円(定員に限りがありますので、お早めにご予約ください)

プログラム:
クリスティーヌ・ジョリヴェ講演「アンドレ・ジョリヴェとその二度の来日について」
映像記録の上映:「ジョリヴェのパリ音楽院での授業風景」「自宅でのインタビュー」
ジョリヴェ作品の演奏:「マナ」「儀式的舞踊」(ピアノ:石井佑輔・会員

詳細情報:http://afjmc.org/イベントのお知らせ/ワークショップ・シンポジウム
 





京都市交響楽団メンバーがお届けするフランス音楽 〜 クリスマスコンサート
2013年12月22日(日)14:00開演
チケット:一般2,000円、子供1,000円(12歳以下)

プログラム:
ダマーズ:5拍子のパヴァーヌ
ベリオ:セクエンツァI(フルート、1958)
ベリオ:セクエンツァII(ハープ、1963)
松宮圭太(作曲・会員):「放射状に割れた硝子」フルートとハープのための (2010)
ボーシャン : ジングルベル・ファンタジー

出演 : 
中川佳子(京都市交響楽団副首席フルート奏者・会員)
松村衣里(京都市交響楽団ハープ奏者)

詳細情報・お問い合わせ:http://music.ap.teacup.com/mieldor/8.html