2018年12月17日月曜日

12/21 白井奈緒美サクソフォーンリサイタル10「天」~Le ciel de Paris ~(後援演奏会情報)

パリ帰国後から香川県県民ホール小ホールにて開催している白井奈緒美サクソフォーンリサイタルも10回目を迎える事となりました。目玉は同世代作曲家酒井健治、藤倉大両氏に委嘱し、酒井作品はサクソフォーンDUOを大石将紀氏と、藤倉作品はサクソフォーンとハープのためのDUOで、ハープ奏者福井麻衣氏と初演するコンサートです。



2018年12月21日(金曜日)19:00開演(18:30開場)
香川県県民ホール小ホール レクザムホール(JR線「高松」琴平電鉄高松築港駅下車10分)
チケット:一般 2,500円 学生 1,500円(当日+500円、全席自由)

プログラム:
ドビュッシー /牧神の午後による前奏曲、ベルガマスク組曲
サン・サーンス /ハープとヴァイオリンのための幻想曲イ長調(ソプラノサクソフォーン編曲版)
藤倉大/ソプラノサクソフォーンとハープのための「DASH」
酒井健治/二本のサクソフォーンのための作品
シュトックハウゼン/4つの星があなたに道を示す
etc.

出演:
白井奈緒美(サクソフォーン・会員)大石将紀(サクソフォーン・会員)
福井麻衣(ハープ・会員)


詳細情報 :
http://sproject2011.blog98.fc2.com/




2018年11月20日火曜日

【動画】「クロード・ドビュッシーの声楽作品」〜演奏家の立場から〜

2018年4月22日に行われた、協会主催レクチャーの動画を公開いたしました。皆様ぜひご覧くださいませ。



フランス近現代音楽の偉大な祖である作曲家、クロード・ドビュッシー。2018年に没後100年を迎えるドビュッシーの声楽作品の特徴について、声楽家でストラスブール音楽院教授の小林真理先生にたっぷりとお話しいただきました。聞き手と進行は、作曲家・指揮者の夏田昌和さんです。

内容 00:00 フランス音楽との出会い 10:44 フランス留学とクレスパン先生の思い出 28:06 ドビュッシーの歌曲と詩の関係 44:10 ドビュッシーの歌曲におけるピアノ 53:31 ドビュッシーの歌曲における感情表現 58:12 後世の作曲家への影響、ドビュッシーの現代性 1:08:19 質疑応答1 練習法について 1:14:11 質疑応答2 発声について、頭声と胸声のお話 1:22:17 質疑応答3 ドビュッシーの楽譜について

日仏現代音楽協会では、小林真理先生による声楽マスタークラスを、12月11日に予定しております。 https://francojaponaise.blogspot.com/2018/10/10.html
対象は音楽家を目指す声楽家の方やアマチュアの方まで、どなたでも受講できます。定員に達し次第、受講生・聴講生の募集を締め切らせていただきますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひお早めにお問い合わせくださいませ。

日仏現代音楽協会事務局


2018年11月6日火曜日

「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会」開催報告

  先日、10月17日に行われた日仏現代音楽協会「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会」は、皆様のお陰で大盛況にて公演を終えることができました。この場を借りて簡単な報告をさせていただきます。

  非常に密度の濃いプログラムに、最高の演奏で応えてくださった演奏家の皆さん、素晴らしい作品と楽曲解説を提供してくださった作曲家の皆さん、会場にて公演を支えてくれたスタッフの皆さん……お名前を書ききれませんが、本当に多くの方々にご協力いただきました。心より感謝いたします。そして何より、会場にお運びいただき、長時間の公演を最後までお聴きいただいた満員のお客様に、篤く御礼申し上げます。
  演奏会当日までさまざまな業務に奔走する毎日でしたが、ホールで最初の一音を聴いた瞬間に今までの疲れがすべて消え去りました。また自分の愛してやまないドビュッシーのピアノ曲を素晴らしい演奏家の皆さんのために編曲することができたのは、本当に幸せな経験でした。 終演後は多くの方々からご好評の声をいただき、肩の荷が下りた気がいたします。
  最後に、今回の演奏会を企画され、準備から当日の指揮にいたるまでそのお人柄と音楽性で我々を力強く導いてくださった夏田昌和先生、本当にありがとうございました!
(台信遼:作曲家・協会事務局長)


  10月17日はおかげさまで超満員のお客様(お問い合わせ頂いたのにやむなくお断りした方々や、当日券を購入出来なかった方々、申し訳ございませんでした)を杉並公会堂小ホールにお迎えし、日仏現代音楽協会「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20記念演奏会」を賑々しく開催することが出来ました。
  書きたいことは山とありますが、幕開けのクロード・ドビュッシー「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」からフィナーレのジェラール・グリゼイ「タレア」まで、計9曲2時間半(休憩含む)にも及ぶ重量級プログラムを、何れも眼を見張る集中力とテクニック、アンサンブルで演奏して下さった13人の奏者の方々に、まずは心からの御礼を申し上げたいと思います。素晴らしい演奏家と共に音楽が出来ること以上に、作曲家や指揮者として幸せを感じることはありません。
  また、このコンサートのために素敵な新作(カニュ)と編曲作品(パックの踊り)を書き下ろして下さった山本哲也さんと台信遼さんにも感謝。プログラムにドビュッシーとグリゼイの解説をそれぞれ書いて下さった作曲家の神本真理さんと渡邊裕美さん、ありがとうございました。演奏会後も貴重な資料として参照されていくはずです。
  舞台を統括して下さった清水一徹さんをはじめとするステージスタッフの皆さん、受付を担当して下さったホールスタッフの皆さん、長時間にわたって公演を記録して下さった伊藤彰教さんと学生さんにも、大いにご尽力頂きました。コンサートが成立するのは、こうしたスタッフの方々が支えて下さるおかげです。
  協会事務局長として全ての実務作業を統括、従事して下さった台信遼さん、あなたなしにはこの企画は実現し得なかったことでしょう。そしてもちろん最後に、1曲聴くだけでもヘヴィーなプログラムに何曲も続けて耳を傾けて下さった聴衆の皆様、本当にありがとうございました!
  大変だったけど、疲れたけど、心から「やってよかった!」と思えた演奏会でした。師匠、星空の上からみててくれたかな?
(夏田昌和:作曲家・協会会員・公演企画担当)

(ゲネプロの様子から)

  

(プログラムより)

(終演後の打ち上げより)


2018年10月28日日曜日

12/11 第11回小林真理声楽マスタークラスのお知らせ(協会主催事業)

ストラスブール音楽院教授の小林真理先生による声楽マスタークラス、ご好評につき12月の開催が決定いたしました。本場フランスでも高い評価を受けている小林先生の明晰かつエネルギーに満ちたレッスンをこの機会にぜひ一度ご体験ください。
音楽家を目指す声楽家の方やアマチュアの方まで、どなたでも大歓迎です。受講生は定員に達し次第、募集を締め切らせていただきますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひお早めに事務局までお問い合わせくださいませ。


日時
2018年12月11日(火)11時〜20時(お申込み状況により翌12日追加の可能性あり)
  
会場
芸術家の家(JR目黒駅東口より徒歩7分)

対象
受講生   
- 声楽を専門的に学ばれている方
- フランス歌曲やフランス語オペラを学ばれたい方
- 声楽分野でフランスへの留学を希望されている方
- フランスにおける声楽教育を体験されたい方
- 声楽の初心者やアマチュアで学ばれている方

聴講生
-専門的な知識の有無にかかわらず、興味のある方はどなたでもご見学可能です。メールにて事務局までお申し込みください。
-レッスンの妨げにならない範囲での入退場は自由です(お申し込み後に当日のタイムテーブルをお送りいたします)。

レッスン形式
- 原則としてお一人様1時間の個人レッスンとなります。上記の日時内でご希望の時間帯を、お申し込み時にお知らせ下さい。お一人で2時間続けての受講や、複数枠の受講も可能です。
- 受講曲目は自由です。2、3曲程度ご用意下さい。事前に講師ともご相談いただけます。
- 伴奏者はご自分でお連れいただくか、協会事務局からのご紹介も可能です(紹介の場合の奏者への謝礼は、1枠につき5,000円となります)。
-受講生は、他の受講生のレッスンも自由にご見学いただけます。

参加費
-受講料 : 22,000円(複数枠をお申し込みの場合、2枠目からは各18,000円)
-聴講料 : 2,000円(日仏現代音楽協会会員は1,500円)


お申し込み・お問い合わせ
日仏現代音楽協会事務局



講師プロフィール 
小林真理(日仏現代音楽協会名誉会員)

鎌倉市生まれ。3歳よりピアノを始め、10歳より中村浩子女史に師事し声楽を学ぶ。

1979年東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業、同大学院修士課程に進み、1981年文化放送音楽賞受賞、第1回日仏声楽コンクールに入選、フランス音楽をより深く学ぶために留学を決意し、1982年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、レジーヌ・クレスパン女史に師事、1987年同音学院のオペラ科を終了、1989年にはウィリアム・クリスティ氏の指導する同音学院の古典声楽科のクラスを1等賞を得て終了する。パリ国立高等音楽院に在籍中の1983年頃より数々の国際声楽コンクールにて受賞(1984年パリのフランス歌曲国際コンクールでフォーレ賞、1988年クレルモン・フェランのオラトリオ・リート国際コンクールではリタ・シュトライヒ・記念大賞)この頃よりバロックから現代音楽に至る幅広い演奏活動を始める。
1993年には その後進学した東京芸術大学博士課程において博士論文『オリヴィエ・メシアンの歌曲研究ーハラウイを中心にー』を書き、博士号を収得する。
コンサート活動においては ピエール・ブーレーズの指揮でシヤトレ劇場でハリソン・バートウィッスルの〔メリヂアン〕のフランス初演、フランス国立管弦楽団、フィルハーモニック・オーケストラと共演、オランダのコンセルトゲボー・ホールにてシェーンベルクの〔4つのオーケストラ歌曲作品22〕、佐渡裕指揮でオーケストラ・ラムルーとマーラーの交響曲第2番、現代音楽作曲家の初演は数多く、アンサンブル・アンテルコンタンポランと数度共演、ロストロポーヴィッチの指揮で小林真理のために書かれたピヨートル・モスの〔スターバート・マーテル〕、最近ではフィリップ・ルルーの新作をロレーヌ国立管弦楽団とフランスとドイツで初演、ヨーロッパのみでなく、アメリカ、東欧、オーストラリアにてもソリストとして活躍している。オペラの分野では ジェフリー・テート指揮によるベルクの〔ルル〕の女流工芸家役、プッチーニの〔蝶々夫人〕のスズキ役、モーツァルトの〔コシ・ファン・トゥッテ〕のドラベラ役、ヴィヴァルディの世界初演〔真実の証〕のルステーナ役などを演じている。
CD録音も多数に及び、モーツァルトの〔レクイエム〕、〔マニュエル・ロ-ゼンタール歌曲集〕、〔20世紀の作曲家の編曲による世界の民謡〕などがあり、最近では、フランスを代表するサクソフォン奏者、クロード・ドラングルとの〔japanese love songs〕、メシアンの〔ハラウィ〕などがある。
1999年にフランス国家教授資格を得て現在ストラスブール地方音楽院で声楽の専任教授を勤め、ニースのアカデミー他、各国でマスタークラスを行い、後進の指導にも情熱をそそいでいる。
(当協会のホームページで小林真理さんへのインタビューを掲載しております。あわせてご覧下さいませ)


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8月に地中海のコルシカ島にて行われた小林真理先生のマスタークラスに参加された生徒の方から、体験レポートとお写真をお寄せいただきました。こちらもぜひお読みください。


コルシカ島スタージュレポート
佐藤千香

東京からCDGでのトランジットを経て、地中海に浮かぶ絶景のコルシカ島へ。コルシカ島北部、Calenzanaという小さな町で真理先生のマスタークラスが開催されました。

Les rencontres de Calenzana というフェスティバルの一部に含まれており、日程は8/17(金)〜8/22(水)の6日間です。Calviの空港で事務局からのお迎えの方、真理先生、同じマスタークラス受講生、フェスティバルの参加アーティストたちと合流し、まずは会場となるCalenzanaの町まで車で向かいました。コルシカ島は海のイメージが強いですが、Calenzanaはトレッキングの名所もある山側の小さな集落です。会期中の住居は趣のあるいわゆる「バカンス貸し」の一軒家を事務局の方が用意して下さり、私たちは女性3名でシェアして楽しい共同生活を送りました。フェスティバルの間、市庁舎内での午前中から夕方までのレッスンと、夜のコンサートが生活の中心になります。とはいえ世界有数のリゾート地コルシカ島でのマスタークラスですから、満喫しないのは残念すぎます。今回のマスタークラスでは、ご自身のリサイタルもフェスティバルのプログラムに含まれてお忙しい中、レッスンとコンサートの合間の時間を縫って真理先生とご主人様がご厚意で海やワイナリーに連れて行って下さり、コルシカ島のリゾート地らしさも存分に楽しむことができました。真理先生の素晴らしいリサイタルの後、ほろ酔いで泳いだ星降る月夜の地中海の美しさは忘れられません!

真理先生とのレッスンは、先生のご指導をすぐにその場で実践できれば新鮮な熱風が体を駆け巡るようにいつも感じられ、うまく実現できないときは頭も体もクタクタになってしまうのですが、どんな時もエネルギーを与えて元気にしてくれたのがフェスティバルのお食事でした。伝統的な、時にはモダンな美味しいコルシカ料理の数々と、日本では東京都心でさえもまだまだ貴重な素晴らしいコルシカワイン、そしてそれらを振る舞ってくださる地元のマダムたちの優しさにすっかりCalenzanaが大好きになりました。ニースやボルドー近郊でも真理先生はマスタークラスをいくつかされていますが、こちらのマスタークラスは随分と趣が異なるように感じます。真理先生のレッスンを集中して受講されたい方。なかなか訪れる機会のないコルシカ島へ、マスタークラス参加の折にぜひいらっしゃって下さいませ。(個人的な感想ですが、Calenzanaの滞在だけでなく、CalviやAjaccioでの延泊を強くお勧めいたします。)





2018年10月27日土曜日

12/1 Mouvement perpétuel特別演奏会(後援演奏会情報)



12月1日(土)14:00開演(13:30開場)
会場:三軒茶屋サロン・テッセラ 
チケット:全自由席 3500円

プログラム:
フォーレの開花期・円熟期から後期の歌曲
 作品46「贈り物」「月の光」から作品116『幻想の水平線』まで
フォーレの重唱曲
フロラン・シュミット / 四重唱と四手ピアノのための『6つの歌』

出演:
ソプラノ:上沼純子・鈴木亜矢子
テノール:武田正雄(会員)
バリトン:土屋繁孝
ピアノ:白取晃司・田中健



後援:在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
   日仏現代音楽協会
   公益財団法人東京二期会
   NPO法人日本声楽家協会

2018年10月24日水曜日

11/14 リレーション'70 第5回演奏会(後援演奏会情報)



日時:2018年11月14日[水]19:00開演(18:30開場)
場所:渋谷区総合文化センター 伝承ホール

プログラム:
☆三善 晃 オマージュ(1970) [トリオ 野口 / 三瀬 / 大須賀]
☆武満 徹 2本のフルートの為のマスク(1959|60) [フルートデュオ 野口 / 永井]
山本 哲也(会員) アコーディオン(2014) [ピアノソロ 大須賀]
山根 明季子(会員) 柘榴色の曖昧な欠片(2012リレーション’70委嘱作品)  [トリオ 永井 / 三瀬 / 大須賀]
☆三瀬 和朗《Ballade》pour Flute en sol, Flute, Violon et Piano(2018)  [カルテット 野口 / 永井 / 三瀬 / 大須賀]
☆鷹羽 弘晃 国境のない唄(2009) [ヴァイオリンソロ 三瀬]
☆松村 禎三 アプサラスの庭(1971|75)  [トリオ 永井 / 三瀬 / 大須賀]

出演:
野口龍(フルート)
永井由比(フルート)
三瀬俊吾(ヴァイオリン)
大須賀かおり(ピアノ・会員)

チケット:¥3,500(一般)¥2,500(学生)


後援:桐朋学園芸術短期大学音楽専攻同窓会「桐の音」・日仏現代音楽協会

11/8 うた×箏 八橋検校から現代まで(後援演奏会情報)

江戸時代前期の音楽家である八橋検校の「六段の調べ」から箏と歌の新作まで古典から現代までの作品を歌と箏、そしてクラリネットで演奏します。


2018年11月8日(木曜日)19:00開演(18:30開場)
日暮里サニーホール(山手線線「日暮里」駅下車)
チケット:一般 ¥3000/学生 ¥1500

プログラム:
佐原洸(会員) Trio
近江典彦(会員) Drop 7
趙世顕 Regenboden
八橋検校 六段の調べ
池辺晋一郎 凍る
Nicolas Bacri オフィーリアの狂乱シーン
Harry Crowl Introspeccao I
木下正道 双子素数 II


出演:
薬師寺典子(ソプラノ・会員)
吉原佐知子(箏、十七絃)
岩瀬龍太(クラリネット)






2018年9月30日日曜日

10/12 第4回楽曲分析講座『グリゼイ《タレア》の時間構造―相反するものの収束と拡散』(協会主催事業)

  毎回さまざまなテーマで楽曲の詳細な分析を行い、ご好評をいただいている日仏現代音楽協会の楽曲分析講座。第四回の開催が決定いたしました。
  今回は『グリゼイ《タレア》の時間構造―相反するものの収束と拡散』と題して、戦後のフランス現代音楽を代表する作曲家、ジェラール・グリゼイの音楽を採り上げます。
ジェラール・グリゼイ(アラン・ゴーサン氏提供)
  今年で没後20年を迎えるグリゼイの作品、そしてその音楽語法の源となっているスペクトル音楽 Musique spectrale の潮流は、現代の音楽を考える上できわめて大きな意味を持っています。
  そしてグリゼイの最重要作のひとつである《タレア》の詳細な分析は、スペクトル音楽に興味を持つ皆様にとって、必聴の内容になることでしょう。

  講師を務めていただくのは、東京藝術大学大学院にて音楽学修士課程を修了し、グリゼイの音楽について造詣の深い作曲家の渡邊裕美さんです。
  さらにパリ国立高等音楽院にて直接グリゼイに師事した作曲家、夏田昌和さんにもご出演いただき、グリゼイの人物についての貴重なお話も伺う予定です。

  トータル・セリエリズム以降のもっとも重要な潮流のひとつであるスペクトル楽派の音楽について、そしてその代表的な作曲家であるグリゼイの音楽についての理解を深める絶好の機会です。専門的な知識をお持ちでない方でも楽しめる内容となっておりますので、ぜひお気軽にご参加くださいませ。
  なお、この講座は10月17日に行われる「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会」の関連企画ともなっております。《タレア》をはじめとした演奏会で採り上げるグリゼイの作品や、その他のプログラムについてもご紹介しますので、この講座にご参加いただくことで、より一層コンサートがお楽しみいただけるかと思います。ぜひこちらも合わせてお運びください。


日仏現代音楽協会第4回楽曲分析講座

日時
10月12日(金) 19:00 ~ 21:00

会場
SHAREmeeシェアミィ市ヶ谷会議室 (JR中央線、メトロ南北線ほか「市ヶ谷」駅徒歩3分)
東京都新宿区市谷左内町27-1 LALLAビル2F

講座内容
・スペクトル音楽の背景〜音楽史的要因と社会的要因から
・ジェラール・グリゼイの音楽におけるスペクトル語法
・ジェラール・グリゼイ《タレア》(1986)の分析(以上、渡邊裕美)
・ジェラール・グリゼイの人と作品、10月17日のプログラムについて(夏田昌和)

聴講料
2,000円(当日参加も可能ですが、ご予約をお勧めいたします)
※日仏現代音楽協会会員は500円引
専門的な知識の有無に関わらず、興味のある方はどなたでも聴講可能です。

お申し込み・お問い合わせ
日仏現代音楽協会事務局



講師プロフィール

渡邊裕美 Hiromi Watanabe
作曲/サウンドデザイン


繊細な色彩の移ろいが生み出す仮想の音響空間を求め、電子音響音楽を中心とした音楽制作を行う。CCMC2011にてACSM116賞、Musica Nova 2017 (捷) ミクスト作品部門第1位を受賞の他、Banc d’essai 2013 (仏)、NYCEMF 2016 (米)、 ICMC 2016 (蘭) などにて作品が選出されるなど世界各地で作品が上演されている。
東京藝術大学大学院音楽学修士課程修了後、渡仏。電子音響音楽の制作を始める。2012年、パンタン音楽院にて審査員満場一致の最優秀で電子音響音楽のディプロムDEMを取得し同時にフランス音楽著作権団体(SACEM)より奨学金が授与される。2013年にはサン=テティエンヌ大学にてコンピュータ音楽の職業修士課程を修了。ロータリー国際親善奨学生。


夏田昌和 Masakazu Natsuda
作曲/指揮

1968年東京生まれの作曲家、指揮者。東京芸術大学及び大学院にて永冨正之、野田暉行、近藤譲の各氏に作曲、洗足学園大学指揮研究所にて秋山和慶氏他に指揮法を師事する。パリ国立高等音楽院にてジェラール・グリゼイに作曲、ジャン・セバスティャン・ベローに指揮を学ぶ。’97年に同音楽院作曲科を審査員全員一致による首席一等賞及び音楽院卒業生協会によるEbersold賞を得て卒業。出光音楽賞や芥川作曲賞、Goffredo Petrassi 国際作曲コンクール審査員特別表彰をはじめとする様々な賞を国内外にて受賞。アンサンブル・アンテルコンタンポランやフランス文化省、サントリー音楽財団をはじめとするより数多くの財団や演奏団体、演奏家より作品委嘱を受けている。

2018年9月3日月曜日

10/17 ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会(協会主催事業)

  2018年は近現代音楽史にとって極めて重要なふたりのフランス人作曲家、クロード・ドビュッシーとジェラール・グリゼイの、それぞれ没後100年及び20年のメモリアル・イヤーとなります。これを機に日仏現代音楽協会では、ドビュッシーとグリゼイの室内楽作品に会員作曲家の作品を加えた演奏会を企画し、皆さまにお届けいたします。




 19183月に55歳で没したドビュッシーと、199811月に52歳で没したグリゼイ。このふたりの早逝の天才は、「音色」や「響き」への着目、既存の形式に依らない統語法や時間構成の探求など、多くの音楽的興味を共にしています。しかし同時に、両者の間に横たわるおよそ80年という時の隔たりは、各々の時代ならではのアプローチの違いとなって現れます――すなわち、ドビュッシーが高次倍音を和声に取り入れ、古典的調性の中に旋法性や全音音階を導入したのに対し、グリゼイはスペクトル解析によって音色=和音を構築し、十二平均律の中に微分音程を導入したように。ふたりの作品を一夜に演奏することで、その共通点と差異とが明瞭に示されることでしょう。
 この演奏会では更に、パリ音楽院にてグリゼイに学んだ斉木由美と夏田昌和の作品、マルセイユにてグリゼイの弟子レジス・カンポに学んだ新鋭、山本哲也の委嘱作も披露されます。
フランスと日本のいくつもの世代を繋ぐ演奏会、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。


20181017日(水) 19:00開演18:30開場)
杉並公会堂小ホールJR中央線ほか荻窪駅 徒歩7分)
一般 3,000円 学生 2,500円 ※前売券の販売は終了しました
当日:一般 3,500円  学生 3,000円
日仏現代音楽協会会員は各500円引

プログラム:(太字は会員)
クロード・ドビュッシー :フルート, ヴィオラとハープのためのソナタ (1915)
ジェラール・グリゼイ:石碑 (1995) 2 Percussionists
山本哲也:カニュ(2018, 世界初演)- Violin, Cello, Piano
ジェラール・グリゼイ:アヌビス (1983) Baritone saxophone solo
斉木由美:アントモフォニー II (2003) Flute, Bass clarinet, Violin, Cello, Piano

ドビュッシー (夏田昌和, 台信遼編曲):『2つの前奏曲』(1909~13 / 2018) Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano
夏田昌和:呼び声 (2018, 日本初演)- Alto saxophone solo  
ジェラール・グリゼイ:プロローグ (1976) Viola solo
ジェラール・グリゼイ:タレア (1986) Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano


出演:(太字は会員)
斎藤和志(フルート)鈴木生子(クラリネット)大石将紀(サクソフォン)佐藤淳一(サクソフォン)鈴木真希子(ハープ)上野信一(打楽器)悪原至(打楽器)
松岡麻衣子(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴァイオリン, ヴィオラ)松本卓以(チェロ)
及川夕美(ピアノ)大須賀かおり(ピアノ)夏田昌和(指揮)



ご予約・お問合せ:
日仏現代音楽協会事務局 



主催:日仏現代音楽協会
助成:ローム ミュージック ファンデーション


◎日仏現代音楽協会では、コンサートに先立つ関連企画として、10月12日にジェラール・グリゼイの作品についての講座を予定しております。こちらもぜひ併せてご参加ください。

2018年8月17日金曜日

10/3 「魅惑の現代音楽の夕べ」(後援演奏会情報)

 5人の現代作曲家・7人の演奏家による魅惑の現代音楽の夕べ



2018年10月3日(水)18:30開場 19:00開演
すみだトリフォニーホール小ホール(JR線「錦糸町」駅下車)
入場料:前売3,000円/当日3,500円

プログラム・出演:
近藤礼隆/Signalization for Trumpet and Piano
曽我部清典(トランペット・会員)植野洋美(ピアノ)

小栗克裕/無、そして沈黙の中で
坂田桃子(チェロ)

小林隆一/《都市へ 2018》〜ヴァイオリンとピアノの為の I.地平から II.都市へ
新井貴盛(ヴァイオリン)正住真智子(ピアノ)

植野洋美(作曲・会員)/Standing Wave -for Trumpet and Piano
曽我部清典(トランペット)植野洋美(ピアノ)

遠藤雅夫/<風の器> 二本の尺八のための
田嶋直士・田嶋謙一(尺八)

企画:植野洋美

サイト:http://hiromiueno.music.coocan.jp/FCM.html



主催:魅惑の現代音楽の夕べ実行委員会
共催:日本現代音楽協会(こんせ~る・しぇ~ぬ)
後援:東京芸術大学音楽学部同声会、大阪音楽大学同窓会《幸楽会》、日仏現代音楽協会
協賛:植野音楽芸術・電子技術研究所

2018年8月5日日曜日

9/22 藤元高輝 ✕ 溝淵加奈枝 KOKI FUJIMOTO×KANAE MIZOBUCHI(後援演奏会情報)



2018年9月22日(土)18:30開演 (18:15ごろ開場)
Matreselva(メトロ12番線 Porte de Versailles下車)
32 rue du hameau, 75015 Paris
チケット:一般10€/学生8€(全席自由)

プログラム:
FRANCISCO GUERRERO MARIN:エロティカ
佐原洸(作曲・会員):ガラス窓の向こうで
MÁTYÁS SEIBER;Four French Songs(抜粋)
川上統(作曲・会員):ペーシュカ・ショーロ
PASCAL DUSAPIN:Chapitre2
伊左治直:炎の蔦
黒田崇宏:Chuchotement
高橋悠治:ジョン・ダウランド帰る
(プログラムは変更の可能性があることをご了承ください)

出演:
藤元高輝(ギター)、溝淵加奈枝(ソプラノ、会員)

・終演後は会場にてアーティストを含めた懇親会を開催いたします。
よろしければご参加ください。

詳細情報 :
www.matreselva.com 

2018年8月3日金曜日

9/3 Camerata Stravaganza 第4回演奏会「呼応する振動」(後援演奏会情報)

 

カメラータ・ストラヴァガンツァ(Camerata Stravaganza 通称CS)は、古くから現在に至るまでの様々な音楽、そしてこれからの音楽を多角的に考える室内楽団です。国内外にて活動し、研鑽を積む若手音楽家を中心に結成されました。 
「擦る」「弾く」「吹く」といったように楽器を鳴らす運動はそれぞれ異なります。異なる作用から作られた振動は私たちの目の前に広がる空気を震わせ、互いに強めあったり弱めあいながら、一つの音楽として形になり、そして消えていきます。また、振動の集合体である音楽も過去と未来とで呼応し合い、わたしたちが生きるその時々で感じ方や聴き方、伝え方が異なります。
古典から今日にかけて創り上げられた多様で色彩豊かな音楽の世界を巡ることで、新しい音楽の扉を開きます。


2018年9月3日(月) 19:00開演(18:30開場)
五反田文化センター音楽ホール
チケット:一般 ¥3,000/学生 ¥1,500

プログラム:
武満徹:Voice
カーター:ハープのための『混交』 
平義久:Stratus
森田泰之進:瞬息II
W. A. モーツァルト:6つの前奏曲とフーガ KV.404より 第1番 ニ短調(原曲:バッハ BWV853)
ヴェーベルン:弦楽三重奏曲 Op.20
ルーセル:セレナーデ Op.30

出演:
内山貴博(フルート・会員) 鈴木真希子(ハープ・会員)
松下蕗子(ヴァイオリン)正田響子(ヴィオラ) 内山剛博(チェロ)


[協力]
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2018年7月30日月曜日

第4回日仏指揮法講座開催報告(協会主催事業)



7月21日(土)と22日(日)の二日間にわたり、受講生6名と聴講13名をお迎えして第4回日仏指揮法講座を無事に開講、終了することが出来ました。

今回の受講生は、現在藝大で指揮を専門的に勉強されている学生さん、フランスで研鑽を積まれた後関西を中心にプロのピアニストとして活躍されている方、音大をピアノ専攻で出た後現在は中学校で音楽の授業や吹奏楽の指導をされている方、クラシック畑のご出身ではないもののお仕事でオーケストラサウンドによるCMやゲームなどの音楽制作に携わっておられる方、アマチュアの弦楽器奏者としてアンサンブルなどを楽しまれている方、ご本業の傍で音楽家のマネジメントもされている方など、年齢もご経験の度合いも音楽への関わり方も実に様々でした。
そうした受講生それぞれのレヴェルや音楽性、抱える課題に柔軟に対応して、前向きで適切なアドバイスを次々に与える阿部講師の指導ぶりは相変わらずお見事です。



初日のスコアリーディングと楽曲分析の時間は夏田が一人で担当しましたが、猛暑の中多くの方がご来場、熱心に耳を傾けて下さり、講師として確かな手応えを実感することが出来ました。


今回、課題の一部にベルリオーズの「幻想交響曲」とドビュッシーの「海」を取り上げたのでピアニストに多大な負担を強いることになってしまいましたが、多忙な中素晴らしい対応力で演奏して下さった協会会員の石井佑輔さんと大須賀かおりさん、そして一部ピアノもお手伝い頂いた受講生の長堀さん、本当にご苦労をおかけしました。


また会場として使用させて頂いたスタジオ・ピオティータのオーナー御夫妻にも、大変親切にして頂きました。ご来場、ご参加、ご協力頂いた皆さま、ありがとうございました。(事務局:夏田記)





2018年7月8日日曜日

8/11,12 第10回小林真理声楽マスタークラス開催のお知らせ(協会主催事業)

ストラスブール音楽院教授の小林真理先生による声楽マスタークラス、ご好評を受けましてこの8月も開催いたします。
対象は音楽家を目指す声楽家の方やアマチュアの方まで、どなたでも大歓迎です。小林先生の明晰かつエネルギーに満ちたレッスンを、ぜひこの機会にご体験ください。
受講生は定員に達し次第、募集を締め切らせていただきますので、ご興味をお持ちの方はお早めに事務局までお問い合わせくださいませ。

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日時
2018年8月11日(祝・土)・12日(日)※スケジュールの詳細は追ってお知らせいたします
会場
芸術家の家(JR目黒駅東口より徒歩7分)

対象
受講生   
- 声楽を専門的に学ばれている方
- フランス歌曲やフランス語オペラを学ばれたい方
- 声楽分野でフランスへの留学を希望されている方
- フランスにおける声楽教育を体験されたい方
- 声楽の初心者やアマチュアで学ばれている方
聴講生
-専門的な知識の有無にかかわらず、興味のある方はどなたでもご見学可能です。メールにて事務局までお申し込みください。
-レッスンの妨げにならない範囲での途中入・退場は自由です(お申し込み後に当日のタイムテーブルをお送りいたします)。

レッスンについて
- 原則としてお一人様1時間の個人レッスン形式となります。上記の日時内でご希望の時間帯を、お申し込み時にお知らせ下さい。お一人で2時間続けての受講や、2日間にわたって複数枠の受講も可能です。
- 受講曲目は自由です。2、3曲程度ご用意下さい。事前に講師ともご相談いただけます(2018年はドビュッシーの没後100年に当たりますので、小林先生も通暁されているドビュッシーの歌曲を加えていただくのも良いかと思います)。
- 伴奏者はご自分でお連れいただくか、協会事務局からのご紹介も可能です(紹介の場合の奏者への謝礼は、1枠につき5,000円となります)。
-受講生は、他の受講生のレッスンも自由にご見学いただけます。

参加費
-受講料 : 22,000円(複数枠をお申し込みの場合、2枠目からは各18,000円)
-聴講料 : 2,000円(日仏現代音楽協会会員は1,500円)

お申し込み・お問い合わせ
日仏現代音楽協会事務局
tokko.chene@gmail.com

講師プロフィール
小林真理(日仏現代音楽協会名誉会員)

鎌倉市生まれ。3歳よりピアノを始め、10歳より中村浩子女史に師事し声楽を学ぶ。1979年東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業、同大学院修士課程に進み、1981年文化放送音楽賞受賞、第1回日仏声楽コンクールに入選、フランス音楽をより深く学ぶために留学を決意し、1982年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、レジーヌ・クレスパン女史に師事、1987年同音学院のオペラ科を終了、1989年にはウィリアム・クリスティ氏の指導する同音学院の古典声楽科のクラスを1等賞を得て終了する。パリ国立高等音楽院に在籍中の1983年頃より数々の国際声楽コンクールにて受賞(1984年パリのフランス歌曲国際コンクールでフォーレ賞、1988年クレルモン・フェランのオラトリオ・リート国際コンクールではリタ・シュトライヒ・記念大賞)この頃よりバロックから現代音楽に至る幅ひろい演奏活動を始める。
1993年には その後進学した東京芸術大学博士課程において博士論文『オリヴィエ・メシアンの歌曲研究ーハラウイを中心にー』を書き、博士号を収得する。
コンサート活動においては ピエール・ブーレーズの指揮でシヤトレ劇場でハリソン・バートウィッスルの〔メリヂアン〕のフランス初演、フランス国立管弦楽団、フィルハーモニック・オーケストラと共演、オランダのコンセルトゲボー・ホールにてシェーンベルクの〔4つのオーケストラ歌曲作品22〕、佐渡裕指揮でオーケストラ・ラムルーとマーラーの交響曲第2番、現代音楽作曲家の初演は数多く、アンサンブル・アンテルコンタンポランと数度共演、ロストロポーヴィッチの指揮で小林真理のために書かれたピヨートル・モスの〔スターバート・マーテル〕、最近ではフィリップ・ルルーの新作をロレーヌ国立管弦楽団とフランスとドイツで初演、ヨーロッパのみでなく、アメリカ、東欧、オーストラリアにてもソリストとして活躍している。オペラの分野では ジェフリー・テート指揮によるベルクの〔ルル〕の女流工芸家役、プッチーニの〔蝶々夫人〕のスズキ役、モーツァルトの〔コシ・ファン・トゥッテ〕のドラベラ役、ヴィヴァルディの世界初演〔真実の証〕のルステーナ役などを演じている。
CD録音も多数に及び、モーツァルトの〔レクイエム〕、〔マニュエル・ロ-ゼンタール歌曲集〕、〔20世紀の作曲家の編曲による世界の民謡〕などがあり、最近では、フランスを代表するサクソフォン奏者、クロード・ドラングルとの〔japanese love songs〕、メシアンの〔ハラウィ〕などがある。
1999年にフランス国家教授資格を得て現在ストラスブール地方音楽院で声楽の専任教授を勤め、ニースのアカデミー他、各国でマスタークラスを行い、後進の指導にも情熱をそそいでいる。
(当協会のホームページで小林真理さんへのインタビューを掲載しております。あわせてご覧下さい。)



2018年7月7日土曜日

7/22 福井マナ ピアノリサイタル「未来のノスタルジー」(後援演奏会情報)

20世紀モダンの音楽を通して紡ぐ未来のノスタルジー。前衛たちが未来に向かって投げかけた作品、作曲家たちが想像した「未来」は、私たちにとっての「過去」であり、また「現在」でもある。同様に私たちの現在は未来のノスタルジーとなる。


2017年7月22日(日) 14時開演(13時半開場)
東京オペラシティリサイタルホール(京王新線「初台」駅下車)
チケット:一般 ¥4,500(当日¥500増) /学生 ¥1,500/高校生以下、障害者および同伴者は無料 

プログラム:
ラヴェル:
古風なメヌエット、水の戯れ、優雅で感傷的なワルツ、ラ・ヴァルス
ドビュッシー:映像 II 集、版画、喜びの島   
武満徹 :閉じた眼 II 
リゲティ:エチュード「虹」
ほか委嘱新曲

出演:
福井真菜(ピアノ・会員)




主催:「未来のノスタルジー」実行委員会/一般社団法人オブジェ・アー  
後援:在日フランス大使館/ /日仏現代音楽協会/桐朋学園音楽部門同窓会/
アンスティチュ・フランセ日本(日仏友好160周年記念文化事業) 

2018年6月3日日曜日

8/26 クロード・ドビュッシー、現代音楽への前奏曲(協会主催演奏会情報)



今年没後100年を迎えたドビュッシーは、近代フランス音楽の始祖であると同時に、現代音楽への扉を開いた作曲家の一人としても極めて重要な存在です。この公演では、近代音楽の幕開けを告げる名作として名高い「牧神の午後への前奏曲」の2台ピアノ版や、現代音楽にも通ずる要素を有する晩年のピアノ作品を取り上げ、同時に日仏現代音楽協会の会員作曲家4名の新作初演や再演作品をプログラムに加えることによって、ドビュッシーの音楽が現代を生きる我々に投げかけるものを探ります。

日時:2018年8月26日(日)  2回公演(いずれも30分前開場)
昼公演:12:00開演 ※予約受付を終了しました。当日券が少し出ます。
夕公演:16:00開演 ※予約残りわずか。当日券も少し出ます。

※昼公演終了後と夕公演開演30分前に、出演演奏家や出品作曲家を交えたトーク・イヴェントを行います。
会場:両国門天ホール(JR総武線ほか「両国」駅下車)

プログラム:
クロード・ドビュッシー
「牧神の午後への前奏曲 / Prélude à l’Après-midi d’un faune」 -2台ピアノ版-(1894)
『前奏曲集 1巻・2巻』より / Extraits de Préludes 1&2(1909~1913)
    「音と香りは夕暮の大気に漂う / …Les sons et les parfums tournent dans l’air du soir」
    「風変わりなラヴィーヌ将軍 / …Général Lavine – excentric」
    「雪上の足跡 / …Des pas sur la neige」
    「花火 / …Feux d’artifice」
「白と黒で / En blanc et noir」(1915)
伊藤美由紀(会員)「二重星(IV)/ Étoile double (IV) 」(2018 世界初演)
松本直祐樹(会員)「A線上で / Sur la corde A」(2018 世界初演)
神本真理(会員)「夢想の雫 / The drops of the dream」(2008)
篠田昌伸(会員)「混相流 / Multiphase flow」-2台8手ピアノによる演奏-(2013)

出演:
ピアノ:飯野明日香、大須賀かおり、瀬川裕美子、安田結衣子(以上会員)


チケット:一般 3,000円  学生・門天会員・日仏現代音楽協会会員 2,500円※昼公演の前売券は終了しました。
当日一般 3,500円  学生・門天会員・日仏現代音楽協会会員 3,000円

ご予約・お問い合わせ:
・両国門天ホール
・日仏現代音楽協会事務局
カンフェティ

※カンフェティでのチケット支払/受取は、お近くのセブンイレブンになります(カード決済可能、発券手数料はかかりません)。
※門天会員・日仏現代音楽協会会員は、メール、電話、FAXのみの受付となります。
※学生券は、受付にて学生証の提示が必要です。

企画・構成 : 日仏現代音楽協会
共同主催 : 両国門天ホール・日仏現代音楽協会
後援 : 一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会 (ピティナ)

2018年5月24日木曜日

第4回日仏指揮法講座(2018年7月21日・22日)開催のお知らせ

フランスにおける伝統的な音楽教育の理念である "musicien complet" (完全なる音楽家)の育成を目指す、日仏現代音楽協会による指揮法講座、約3年ぶりの開講が決定いたしました。指揮法の実際を学ぶだけではなく、指揮者に必要な能力や音楽の読解力を深めるため、講座の内容は様々な難易度やスタイルのオーケストラ作品の指揮法実技に、スコア・リーディングと楽曲分析を加えた3つの科目からなっております。今回は日仏現代音楽協会主催に相応しく、フランス音楽を一層充実させた課題リストを用意致しました。
講座の対象は未経験の方から大学等で指揮法を学んでいる方、あるいは演奏の現場で指揮活動をされている方まで、幅広い受講生のレヴェルに対応いたします。一流の講師とプロの演奏家たちのもとで実践的な指揮法を学ぶ絶好の機会、ぜひふるってご参加ください。


講師
阿部加奈子
夏田昌和

伴奏ピアニスト

石井佑輔
大須賀かおり


1. 指揮法実技


以下の課題曲の中から講習生各自が2~3曲程度の楽曲もしくは楽章を選択し、ピアノ連弾による演奏を指揮して頂きます。(課題曲の選択に迷われた場合などは、お気軽に事務局までご相談ください。講師自身がメール等でご相談に乗ります。)

*課題曲(下記より受講者が選択)*7月9日の時点で一部変更となりました
・ハイドン 交響曲第101番「時計」より1〜3楽章
・モーツァルト 歌劇「ドン・ジョバンニ」及び「魔笛」序曲
・シューベルト 交響曲「未完成」
・メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
・シューマン 交響曲第2番より 第1楽章
・ベルリオーズ 「幻想交響曲」より第1楽章・フィナーレ
・フォーレ 「ペレアスとメリザンド」組曲より「前奏曲」
・ドビュッシー 「海」より「海の夜明けから正午まで」・「波の戯れ」
・ラヴェル 「マ・メール・ロワ」組曲 *初級者推奨

2. スコア・リーディング
ご自分が指揮法講座で取り上げる選択課題曲の一部を、(基本的にピアノで)演奏していただきます。スコア全体のピアノ演奏が難しい場合、任意のパートやセクションのみをピアノで弾くか、もしくは声に出して歌われるのでも構いません。(演奏箇所の選択に迷われた場合などは、お気軽に事務局までご相談ください。)

3. 楽曲分析
課題曲中から以下のものを、講師の先導で分析していきます。作曲学的な見地からの分析に加え、指揮という演奏行為に即した視点からも楽曲を捉えていくことを目指します。

ハイドン 交響曲第101番「時計」
ラヴェル 「マ・メール・ロワ」より「美女と野獣」もしくは「妖精の園」
ベルリオーズ 「幻想交響曲」よりフィナーレ「
ドビュッシー 「海」より「海の夜明けから正午まで」


日程
7月21日(土)
14:00~16:00 スコア・リーディング(担当:夏田)
16:00~18:00 楽曲分析(担当:夏田)
18:00~22:00 指揮法実技
7月22日(日)
13:00-19:00 指揮法実技

※21日に参加できない受講生の方で、22日に指揮法実技とともにスコア・リーディングの受講を希望する方は、事前に事務局までご相談ください。


会場
スタジオ ピオティータ (京王新宿線「桜上水」、井の頭線「西永福町」より徒歩)
東京都杉並区下高井戸4-22-34  TEL 03-5316-7161



対象
受講生(定員最大10名)
- 指揮法を既に学んでいる方
- 合唱、アンサンブル、吹奏楽、オーケストラなどを対象にした指揮活動を行っている方、またそれらの活動を目指している方
- 音楽大学などで音楽の専門教育を受け、基礎的な音楽に関する知識は身につけているが、指揮法の勉強は未経験の方
-フランス式の指揮者教育を体験したい方や、将来的にこの分野で留学を考えている方

聴講生(定員最大20名)
事前に事務局までお申し込みいただければ、専門的な知識の有無に関わらず、どなたでも聴講ができます(各日とも講習の妨げとならない範囲で会場への出入りは自由です)。ただし、受講生多数の場合はお断りさせていただく場合がございますので、予めご了承ください。


参加費用
・受講生 
 28,000円 (日程や受講内容において部分参加をご希望の場合、別途お問い合わせください。)
・聴講生 (要予約、ただし人数に余裕がある場合は当日入場も可)
 各日2,000円(2日間参加の場合は3,000円)
・日仏現代音楽協会会員は受講2,000円引き、聴講500円引き。


お申し込み・お問い合わせ :
日仏現代音楽協会事務局  
nichifutsugenon@yahoo.co.jp    080-2257-7595


※受講生としてお申し込みの方は、お名前、ご連絡先(メールアドレス及びお電話番号)と併せて、
-音楽学習歴もしくは音楽活動歴(簡潔なもので結構です)
-指揮法を学んだ経験の有無 (経験ありの場合にはその内容や期間について)
をご記入ください(過去の「日仏指揮法講座」に参加された方は、活動歴や経験の記入は不要です)。

-6月末を目安に、ご自身が選択された課題曲を事務局にお知らせ下さい。


<講師・伴奏ピアニスト プロフィール>


阿部加奈子(講師)
             
パリとハーグに拠点を置く指揮者、ピアニスト。 大阪に生まれ、2歳より音楽教育者・合唱指揮者の母親から ピアノの手ほどきを受ける。 相愛音楽大学附属子供の音楽教室ピアノ科、東京藝術大学音楽 学部付属音楽高校、東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、パリ 国立高等音楽院に入学。6つのクラスで学んだ後(和声、対位法、フーガ、器楽伴奏、オーケストレーション、楽曲分析)、 2002年同音楽院指揮科に日本人として初めて入学。在学中より 様々なオーケストラ、アンサンブルに客演。
現代音楽に精通し、これまでにEnsemble L’Itinéraire, Ensemble 2e2m, Smash Ensemble, Ensemble Zellig、アンサンブル室町 等数多くの現代音楽アンサンブルを指揮する。ストラスブール・ムジカ現代音楽祭、ヴェネツィア・ビエンナーレ現代音楽祭、ブリュッセル・アルスムジカ音楽祭などでの公演他、100作を超える新作初演の指揮・演奏・録音を西ヨーロッパを中心とする世界各地で行っている。2002年に「武満徹ピアノ作品集」のCDをHarmonia Mundi社よりリリースしたのを皮切りにこれまでに指揮・ピアノの両方で5枚のCDを録音。そのうちの1枚は Prix des lycéens 賞にノミネートされた。更に2005年にはフランス人若手作曲家らと共に現代音楽アンサンブル «ミュルチラテラル»を創設し、2014年まで同アンサンブルの音楽監督を務めている。2012年に同アンサンブルとフランス国立放送局で録音したセバスチャン・リヴァス作曲のオペラ「幻覚の夜」は、Prix Italiaを受賞した。オペラ作品にも造詣が深く、パリ管弦楽団合唱団の練習ピアニストやオペラ公演のコーチ等を務めた後、2007~2008年にかけてモンペリエ国立歌劇場並びにモンペリエ国立管弦楽団の副指揮者として数多くの交響曲・オペラ公演を手がけ、Jerzy Semkow, Lawrence Foster, Enrique Mazzola, Alain Altinoglu, Friedemann Layer等の指揮者及びRené Koering, Jean-Paul Scarpitta,Moshe Leiser等の演出家と協力し、公演を成功に導いた。2009年12月にはモンペリエ国立歌劇場にて「椿姫」を指揮。2009年シャトレ座での「魔笛」公演、2010年ストラスブール国立歌劇場での「マクベス」公演、チューリッヒ歌劇場での「ジェズアルド」世界初演の副指揮者も務めた。2014年夏にはファビオ・ルイージの副指揮者としてイタリアのマルチナ・フランカ音楽祭にてアルフレッド・カゼッラ作曲のオペラ「蛇女」の公演に携わった。レパートリーはバロックの弾き振りから現代作品まで実に幅広 い。現在までにモンペリエ国立管弦楽団、リール国立管弦楽 団、ニース交響楽団、ロレーヌ国立管弦楽団、バスク交響楽団、オーベルニュ室内管弦楽団、アモル交響楽団(韓国)、ルーマニア国立放送管弦楽団、ヤナーチェク・フィルハーモニック管弦楽団(チェコ)、パドゥルー管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、ヴェトナム国立交響楽団、東京シティーフィルハーモニック管弦楽団、群馬交響楽団、大阪交響楽団等のオーケストラを指揮し、またEmmanuelle Bertrand, Henri Demarquette, Cyprien Katsaris, Eric Aubier, David Guerrier, 広瀬悦子、萩原麻未等のソリストと共演している。2011年3月11日の東日本大震災勃発の2日後に「パリ東日本大震 災チャリティーコンサート実行委員会」を創設。パリ国立高等 音楽院、パリ日本文化会館、パリ市内の教会や市役所などの協 力のもと数々のチャリティーコンサートを企画。それら一連の コンサートの締めくくりとし、2011年4月10日ユネスコ本会議 場にて有志によるオーケストラコンサートを開催。実行委員長 としてジャポネード・オーケストラ並びにジャポネード合唱団 を指揮した。翌2012年3月11日には震災1年後の「復興メモリ アルコンサート」の指揮者として、佐渡裕と共に再びユネスコ の舞台に立った。教育活動にも関心が高く、2014年にジョクジャカルタを拠点とするインドネシア初のユースオーケストラ、インドネシア・ユース交響楽団を設立、音楽監督に就任する。また、子供達を中心とする若い世代の聴衆が質の高い現代音楽の演奏を気軽に楽しめる空間づくりを目指して、2015年にパリでアンサンブル・ムジカ・ユニヴェルサリスを結成、芸術監督を務める。近年は作曲活動も再開し、アンサンブル・ポリクロミーからの委嘱で、今夏より遠藤周作の小説「沈黙」をベースとしたフランス語のオペラ「Padre」を作曲予定。2016年より東京アンサンナブル・ファクトリーのミュージックパートナーも務めている。


夏田昌和(講師)


 1968年東京生まれの作曲家、指揮者。東京芸術大学及び大学院にて永冨正之、野田暉行、近藤譲の各氏に作曲、アンリエット・ピュイグ=ロジェ女史にスコアリーディング及び伴奏法を学ぶ一方、洗足学園大学指揮研究所にて秋山和慶氏他に指揮法を師事する。'91年東京芸術大学音楽学部作曲科を首席で卒業、'93年同大学大学院修了後に渡仏。パリ国立高等音楽院にてジェラール・グリゼイに作曲、ジャン・セバスティャン・ベローに指揮を学ぶ。'97年に同音楽院作曲科を審査員全員一致による首席一等賞及び音楽院卒業生協会によるEbersold賞を得て卒業し、帰国。
 作曲分野においては、出光音楽賞や芥川作曲賞、Goffredo Petrassi 国際作曲コンクール審査員特別表彰をはじめとする様々な賞を国内外にて受賞。アンサンブル・アンテルコンタンポランやフランス文化省、サントリー音楽財団をはじめとするより数多くの財団や演奏団体、演奏家より作品委嘱を受けている。作品はISCM(横浜)やザグレブ・ミュージック・ビエンナーレ、メルツ・ムジーク(ベルリン)、マンカ音楽祭(ニース)、ミュージック・フロム・ジャパン(ニューヨーク)、アヴァンティ夏期音楽祭(フィンランド/ポルヴォ)、大邱国際音楽祭(韓国)、武生国際音楽祭(日本)、プレザンス(パリ)などにおいて紹介され、オランダ放送交響楽団、ベルリン交響楽団、新日本フィルハーモニー、東京交響楽団、Ensemble2e2m、Ensemble Intercontemporain、Ensemble Recherche、Ensemble Court-Circuit、Juilliard Percussion Ensemble、東京シンフォニエッタをはじめとする著名なオーケストラやアンサンブル、クロード・ドゥラングル(Sax.)やバリー・ウェッブ(Trb.)、セドリック・ティベルギアン(Pn.)などの優れたソリストによって、世界各地で幅広く演奏されている。2013年12月には東京オペラシティ・リサイタルホールにおいて「夏田昌和個展」を開催、3曲の世界初演を含む10作品が一挙に演奏され、高い評価を得た。またジパング・プロダクツよりCD「先史時代の歌 ~夏田昌和作品集~」が発売されている。
 指揮者としては、Fundaçao Oriente 国際指揮者コンクール(ポルトガル)に2回連続で第3位入賞を果たした他、これまでに多くの市民オーケストラへの客演や音大の学生オーケストラの指導に取り組み、また若い世代の演奏家の育成にも貢献してきた。特に現代音楽演奏分野においては、アンサンブル・コンテンポラリーαやアンサンブル・ヴィーヴォ、アール・レスピラン、アンサンブル室町などのアンサンブル団体を指揮して数多くの邦人新作の世界初演や海外現代作品の紹介に携わり、その数は現在までに合わせて130曲を超えている。なかでもグリゼイの<Vortex Temporum I~III>や<境界を超えるための4つの歌>、ライヒの<Tehillim>といった大作の日本初演は特筆に値しよう。海外においてもAvanti Ensemble(フィンランド)やEnsemble Zellig(フランス)で自作を指揮し、演奏家と聴衆の双方より好評をもって迎えられた。指揮者として演奏に参加した「昼・南聡作品集」は第50回(2012年度)レコード・アカデミー賞(現代曲部門)を受賞している。
 1998年より約12年の間、首都圏の様々な芸術・音楽大学で作曲、和声、対位法、指揮、スコアリーディング、楽曲分析、ソルフェージュ、室内楽、現代音楽演奏法などの指導にあたり、多くの優秀な門下生を育ててきた。



石井佑輔(伴奏ピアニスト)
国立音楽大学作曲学科卒業後、渡欧。フランス、パリ国立高等音楽院(CNSM)エクリチュール科および歌曲伴奏科をDFSを得て修了。またブーローニュ音楽院(CRR)ピアノ科一等賞及び最高課程卒業後、ドイツ、フランクフルト音楽表現芸術大学大学院にてアンサンブル・モデルン国際アカデミー(IEMA)を奨学生として修了。
第14回ハビエル・モンサルヴァーチェ国際ピアノ現代音楽コンクール(ジローナ)2位、オルレアン国際21世紀ピアノコンクールにおいてナディア・ブーランジェ賞、アンドレ・ジョリヴェ賞を受賞。第6回イヴァル・ミカショフ・トラスト・ピアニスト/作曲家委嘱プロジェクト優勝。その他作曲、新曲初演、リサイタル伴奏等の活動、またA.ルヴィエ、G.ペッソン、M.マタロン、J.ルノ、J.M.ロペスロペス、横井佑未子等の多くの作曲家の初演、演奏にも関わっており、20世紀の埋もれた作品の再演にも力を注ぐ。これまでにピアノを西村菜穂子、H.カルティエ=ブレソン、M-P.シルゲ、伴奏を今村央子、A.ル・ボゼックの各氏に師事。第10回TYサポートプログラムの助成を受けて初CD「ジョリヴェ/ヴァレーズピアノ作品集」をコジマ録音よりリリース。またフランスのレーベルLyrinxより「A.ジョリヴェ/J.ルノ ピアノ作品集」をリリース予定。

大須賀かおり(伴奏ピアニスト)
桐朋学園大学音楽演奏学科卒業、同大学アンサンブルディプロマコース修了。第9回日本室内楽コンクール第2位。2001年にデュオ「ROSCO」を甲斐史子(Vn)と結成、第5回現代音楽演奏コンクール競楽V優勝、第12回朝日現代音楽賞、2003年度青山バロックザール賞受賞。ソロリサイタルやオーケストラとの共演、内外の国際音楽祭への出演を重ねる傍ら、mmmKOHAKUORIGAMI)、リレーション'70といったグループの一員としても意欲的な活動を展開してきた。多くの作曲家の作品初演やCD録音に携わり、これまでの初演数は300曲を超える。ジパングレーベルより4枚のアルバムと楽譜集をリリース。日本・フィンランド新音楽協会会員。桐朋学園芸術短期大学、東京成徳短期大学、弥栄高校芸術科非常勤講師。http://kaoriohsuga.com/



****
過去の受講生はその後演奏や創作の現場で様々に活躍していらっしゃいますが、その中で、現在フランスに留学中で、最近大きな管弦楽作品の作曲コンクールに優勝なさり注目を集めた山本哲也さんに、講習会の体験記を寄せて頂きました。


「2013年、2014年と日仏現代音楽協会の指揮法講座を受講しました。漫才の掛け合いのようなテンポの良い指揮実践、スコアリーディングの指導、作曲にも精通する講師2人の精緻な作品分析、そして素晴らしいピアニストを相手にリハーサルを行い、とても充実した時間を過ごしました。私が受講した年にはソプラノの吉川真澄さんを招いてのオペラ・アリアの指揮実践があり、歌手を相手にアゴーギグやブレスの取り方などを考慮しながら振ることは、これまでに私が器楽を中心としたアンサンブルを相手に振ったときとは全く異なるテクニックで、こんなにも難しいものなのかと苦戦したことを覚えています。私以外の受講生も、日仏現代音楽協会主催で講師が阿部加奈子、夏田昌和の両氏であるという性質ゆえに、指揮を専門とする人だけではなく、作曲家、ピアニストなど多様な専門を持つ受講生が集まり、様々な解釈の可能性の一端を垣間見ました。
私は普段作曲をしていまして、人前で指揮を振ることといえば学内の試演会での自作あるいは学生作品の演奏や、大きくない規模のコンサートがほとんどですが、今年に入ってから留学先のリヨンで、室内楽編成の自作を発表するコンサートと友人の修了リサイタルで2度指揮をする機会があり、かつて得た経験は確実に役に立っています。この文章を書くことによって私自身にマージンが入るようなことは一切ございません(笑)が、この指揮法講座を通じての実りある体験を、より多くの人と共有できたら幸いです。」(山本哲也)

山本哲也
作曲家。国立音楽大学大学院、マルセイユ地方音楽院を経て、現在リヨン国立高等音楽院に在学。イル=ド=フランス国立管弦楽団主催の作曲コンクール「Île de créations 2018」優勝、第6回A.ドヴォルザーク国際作曲コンクール第1位および特別賞(2015)、日本現代音楽協会第27回現音作曲新人賞(2010)などを受賞。2018年5月にはラジオフランスの番組「Création mondiale」において、オーケストラ作品『In the circle...』を中心とした特集が放送された。日仏現代音楽協会会員。WEB: http://www.tetsuyayamamoto.net