※7月14日更新:定員に達したため、受講生の募集を締め切りました。引き続き聴講生でのお申込みは可能です。
フランスにおける伝統的な音楽教育の理念である "musicien complet" (完全なる音楽家)の育成を目指す、日仏現代音楽協会による指揮法講座の1年半ぶり7回目の開講が決定いたしました。指揮法の実際を学ぶだけではなく、指揮者に必要な能力や音楽の読解力を深めるため、講座の内容は様々な難易度やスタイルのオーケストラ作品の指揮法実技に、スコア・リーディングと楽曲分析を加えた3つの科目からなります。講座の対象は未経験の方から大学等で指揮法を学んでいる方、あるいは演奏の現場で指揮活動をされている方まで、幅広い受講生のレベルに対応いたします。一流の講師とプロの演奏家たちのもとで実践的な指揮法を学ぶ絶好の機会、ぜひふるってご参加ください。
講師
阿部加奈子(日仏現代音楽協会会長)
夏田昌和(会員)
伴奏ピアニスト
大須賀かおり(会員)
瀬川裕美子(会員)
阿部加奈子(日仏現代音楽協会会長)
夏田昌和(会員)
伴奏ピアニスト
大須賀かおり(会員)
瀬川裕美子(会員)
・講座内容・
1. 指揮法実技
以下の課題曲の中から講習生各自が2~3曲程度の楽曲や楽章を選択(ラヴェルは少なくともワルツのうち1曲を必修)し、ピアノ連弾による演奏を指揮して頂きます。課題曲の選択に迷われた場合などは、事務局までご連絡ください。講師がメール等でご相談に乗ります。
*課題曲(下記より受講者が選択)
以下の課題曲の中から講習生各自が2~3曲程度の楽曲や楽章を選択(ラヴェルは少なくともワルツのうち1曲を必修)し、ピアノ連弾による演奏を指揮して頂きます。課題曲の選択に迷われた場合などは、事務局までご連絡ください。講師がメール等でご相談に乗ります。
*課題曲(下記より受講者が選択)
・ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調《英雄》」
・ブラームス「交響曲第2番 ニ長調」
・ブラームス「交響曲第2番 ニ長調」
・ラヴェル「高雅で感傷的なワルツ」*8曲のうち少なくとも1曲は必修とします。受講生が分担しつつ全曲を学べるよう、事務局で調整します。
・ストラヴィンスキー「春の祭典」より「選ばれた生贄への賛美(104~)」と「生贄の踊り(142~)」
・ストラヴィンスキー「春の祭典」より「選ばれた生贄への賛美(104~)」と「生贄の踊り(142~)」
・バルトーク「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」より第1楽章
2. スコア・リーディング
ご自分が指揮法講座で取り上げる選択課題曲の一部を(基本的にピアノで)演奏していただきます。スコア全体のピアノ演奏が難しい場合、任意のパートやセクションのみをピアノで弾くか、もしくは声に出して歌われるのでも構いません。演奏箇所の選択に迷われた場合などは、お気軽に事務局までご相談ください。
3. 楽曲分析
課題曲中から選んだ楽曲を、講師の先導で分析していきます。作曲学的な見地からの分析に加え、指揮という演奏行為に即した視点からも楽曲を捉えていくことを目指します。
・講座概要・
日程
8月10日(土)
13:00〜16:00 スコア・リーディング※
16:00〜18:00 楽曲分析(担当:夏田)
8月11日(日)
10:30〜19:00 指揮法実技
8月12日(月・祝)
10:30〜19:00 指揮法実技
10:30〜19:00 指揮法実技
8月12日(月・祝)
10:30〜19:00 指揮法実技
※8月10日に参加できず、他の日に指揮法実技とともにスコア・リーディングの受講を希望する方は、事前に事務局までご相談ください。また、指揮法実技の時間は受講生の人数により増減します。
会場
対象
- 指揮法を既に学んでいる方やこれから学びたいという方
- 合唱、アンサンブル、吹奏楽、オーケストラなどを対象にした指揮活動を行っている方、またそれらの活動を目指している方
- 音楽大学などで音楽の専門教育を受け、基礎的な音楽に関する知識は身につけているが、指揮法の勉強は未経験の方
- 音楽大学などで音楽の専門教育を受け、基礎的な音楽に関する知識は身につけているが、指揮法の勉強は未経験の方
- アマチュアの演奏家として室内楽やオーケストラ活動をされていて、更に指揮法の基礎を身につけたい方
- フランス式の指揮者教育を体験したい方や、将来的にこの分野で留学を考えている方
聴講生(定員最大20名)
事前に事務局までお申し込みいただければ、専門的な知識の有無に関わらず、どなたでも聴講ができます(各日とも講習の妨げとならない範囲で会場への出入りは自由です)。ただし、受講生多数の場合はお断りさせていただく場合がございますので、予めご了承ください。
参加費用
参加費用
・聴講生(※事前にメールでご予約ください):
各日2,000円(2日間参加の場合は3,000円、3日間参加の場合は4,000円)
※日仏現代音楽協会会員は受講2,000円引き、聴講500円引き。
※受講生としてお申し込みの方は、お名前、お電話番号と併せて以下をご記入ください。(過去に「日仏指揮法講座」を受講された方は不要です)
- 音楽学習歴もしくは音楽活動歴(簡潔なもので結構です)
- 指揮法を学んだ経験の有無(経験有りの方はその内容や期間について)
- 指揮法を学んだ経験の有無(経験有りの方はその内容や期間について)
また、7月20日を目安に、ご自身が選択された課題曲を事務局にお知らせ下さい。
<講師・伴奏ピアニスト プロフィール>
阿部加奈子(講師)
オランダ在住。東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、パリ国立高等音楽院にて作曲に関連する6つの課程とともに日本人として初めて同音楽院指揮科で学び、フォンティス総合芸術大学大学院指揮科(オランダ)にて修士号を取得。
これまでに作曲を永冨正之、管弦楽法をマルク=アンドレ・ダルバヴィ、楽曲分析をミカエル・レヴィナス、ピアノと伴奏法をジャン・ケルネル、指揮をジョルト・ナジ、ヤーノシュ・フュルスト、ファビオ・ルイージ、エティエンヌ・シーベンス、ヤク・ファン・ステーンなどに師事。
パリ国立高等音楽院在学中より、ヨーロッパを活動の拠点に、指揮者、ピアニスト、作曲家として多方面で活躍する。2005年にはパリ管弦楽団やアンサンブル・アンテルコンタンポラン等のメンバーからなる現代音楽アンサンブル「ミュルチラテラル」を創設、2014年まで音楽監督を務める。また、その間にチューリッヒ歌劇場やモンペリエ国立歌劇場でファビオ・ルイージ、エンリケ・マッツォーラ、ロレンス・フォスター等のアシスタントを務める。これまでにギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、モンペリエ国立管、ロレーヌ国立管、ルーマニア放送響、ジュネーヴ室内管など、日本国内では東京フィル、新日本フィル、東京シティ・フィル、兵庫芸術文化センター管、大阪響、広島響、群馬響、名古屋フィル、大阪フィル、神奈川フィルなどと共演している。2019年6月には東京オペラシティ文化財団主催「武満徹作曲賞」本選演奏会の指揮者に抜擢され、2021年5月に2度目の登場を果たした。2015年よりTokyo Ensemnable Factory、2019年よりアンサンブル室町のミュージック・パートナーを務める。また 2022年9月よりフランス・ドーム交響楽団音楽監督、2024年9月より同楽団芸術監督就任が決まっている。さらに2023年にオランダで結成されたアンサンブル・オロチの芸術監督並びにReisorkest Arnhemの指揮者を務める。
2022年7月には、ブシュラ・エル=トゥルクの新作オペラ「Woman at Point Zero」の世界初演でエクサン・プロヴァンス音楽祭に、2023年6月にはコヴェントガーデン王立歌劇場に、2024年5月にはウィーン芸術週間にそれぞれデビューを果たした。また2024年1月と2月に藤原歌劇団本公演で「ファウスト」を指揮し、公演を成功へと導いた。
これまでにIRCAMとの提携、ラジオ・フランスへの録音をはじめ、ストラスブール音楽祭、ヴェネツィア国際現代音楽祭などで200曲以上の世界初演の指揮を手がける一方、自身も作曲家としてのキャリアを歩み続けている。2025年11月には横浜みなとみらいホールからの委嘱作品が神奈川フィルの特別演奏会において自らの指揮で世界初演される予定である。
音楽メディアでは、これまでに「レジス・カンポ Pop-Art」(æon)をはじめ、ヴォデニチャロフの室内オペラ「雪女」(Gega New)など12枚のCDをリリースしている。また、ラジオ・フランスへのレコーディングも定期的に行っており、2012年に指揮者として参加したセバスチャン・リヴァスのラジオオペラ「幻覚の夜」はイタリア放送協会主催の国際番組コンクールで最高賞であるイタリア賞を受賞した。
教育面では、フランスをはじめとする各国の音楽大学でのマスタークラスで講師を務めるほか、2023年8月には英国ロイヤルオペラハウスからの要請で、ブリテン・ピアーズ財団において開催された現代オペラの指揮セミナーにて、英国王立アカデミー主任教授のシャーン・エドワーズ女史と共に講師を務めた。
阿部加奈子公式ホームページ : https://www.kanakoabe.com/jp/
夏田昌和(講師)
東京芸術大学大学院修了後、パリ国立高等音楽院にて作曲と指揮を学び、審査員全員一致の首席一等賞を得て同院作曲科を卒業。作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲、Gérard
Grisey 、指揮を秋山和慶、河地良智、Jean-Sébastien Béreau、伴奏法をHenriette
Puig=Rogetの各氏に師事。芥川作曲賞や出光音楽賞、Fundaçao Oriente
国際指揮者コンクール第3位(1位なし)など、作曲と指揮の両分野での受賞や入賞、入選多数。
フランス文化省やサントリー音楽財団、アンサンブル・アンテルコンタンポランを始めとする数多くの公的機関や演奏団体、ソリストより委嘱を受けて書かれた作品は、世界各地の様々な音楽祭や演奏会にて紹介されている。
指揮者としてはグリゼイの「Vortex
Temporum」と「境界を超えるための4つの歌」、ライヒの「Tehillim」といった大作の日本初演や海外現代作品の紹介、邦人作品の初演やCD録音に積極的に携わっており、現在までにその数は160曲を超える。また様々な市民オーケストラへ客演を重ねる一方で、小林武史(Vn.)、Claude
Delangle(Sax.)、宮田まゆみ(笙)、森川栄子(Sop.)、藤原由紀乃(Pn.)、向山佳絵子(Vc)、鷲宮美幸(Pn.)、秋山友貴(Pn.)、大須賀かおり(Pn.)といったソリストとも共演してきた。2013年に指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立。2021年には第6回両国アートフェスティバルの芸術監督として3プログラム6公演を成功に導き、2024年1月には神奈川県民ホール主催の「C×C 夏田昌和×アルノルト・シェーンベルク」の監修・指揮・作品発表でも大成功を収める。2022年12月に日本で4度目、今世紀初となるアイヴズ「交響曲第4番」の演奏(タクティカート・オーケストラ)で正指揮を担当し好評を博した他、2023年3月には首都圏のアマチュア奏者を中心とした団体アンサンブル・ヴェネラでメシアン「トゥーランガリラ交響曲」を指揮し大きな反響を呼んだ。
大須賀かおり(伴奏ピアニスト)
桐朋学園大学演奏学科卒業、同大学アンサンブルディプロマコース修了。日本室内学コンクール第2位。現代音楽演奏コンクール競楽V優勝、第12回朝日現代音楽賞、2003年度青山バロックザール賞受賞。2020年コジマ録音よりリリースしたアイヴズのソナタ全集が第75回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。これまでに多くの作曲家の作品初演やCD録音に携わり、初演曲は300曲を超える。桐朋学園芸術短期大学、東京成徳短期大学、相模原弥栄高校芸術科非常勤講師。
瀬川裕美子(伴奏ピアニスト)
国立音楽大学鍵盤楽器ピアノ専修を首席、同科ソリストコースを最優秀で卒業。2013年よりリサイタルを東京文化会館小ホールやトッパンホールにてバッハから邦人委嘱作品まで、コンセプチュアルなプログラムで8回展開。Boulez
ピアノソナタ全曲リサイタル、並びに同プログラムのCDは「レコード芸術」誌特選盤に選出され、朝日新聞等多数のメディアで紹介される。これまでCD5枚リリース。東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」に出演。アンサンブル活動に加え、他分野の芸術と連関させた独自のレクチャーも行っている。