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2018年9月30日日曜日

10/12 第4回楽曲分析講座『グリゼイ《タレア》の時間構造―相反するものの収束と拡散』(協会主催事業)

  毎回さまざまなテーマで楽曲の詳細な分析を行い、ご好評をいただいている日仏現代音楽協会の楽曲分析講座。第四回の開催が決定いたしました。
  今回は『グリゼイ《タレア》の時間構造―相反するものの収束と拡散』と題して、戦後のフランス現代音楽を代表する作曲家、ジェラール・グリゼイの音楽を採り上げます。
ジェラール・グリゼイ(アラン・ゴーサン氏提供)
  今年で没後20年を迎えるグリゼイの作品、そしてその音楽語法の源となっているスペクトル音楽 Musique spectrale の潮流は、現代の音楽を考える上できわめて大きな意味を持っています。
  そしてグリゼイの最重要作のひとつである《タレア》の詳細な分析は、スペクトル音楽に興味を持つ皆様にとって、必聴の内容になることでしょう。

  講師を務めていただくのは、東京藝術大学大学院にて音楽学修士課程を修了し、グリゼイの音楽について造詣の深い作曲家の渡邊裕美さんです。
  さらにパリ国立高等音楽院にて直接グリゼイに師事した作曲家、夏田昌和さんにもご出演いただき、グリゼイの人物についての貴重なお話も伺う予定です。

  トータル・セリエリズム以降のもっとも重要な潮流のひとつであるスペクトル楽派の音楽について、そしてその代表的な作曲家であるグリゼイの音楽についての理解を深める絶好の機会です。専門的な知識をお持ちでない方でも楽しめる内容となっておりますので、ぜひお気軽にご参加くださいませ。
  なお、この講座は10月17日に行われる「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会」の関連企画ともなっております。《タレア》をはじめとした演奏会で採り上げるグリゼイの作品や、その他のプログラムについてもご紹介しますので、この講座にご参加いただくことで、より一層コンサートがお楽しみいただけるかと思います。ぜひこちらも合わせてお運びください。


日仏現代音楽協会第4回楽曲分析講座

日時
10月12日(金) 19:00 ~ 21:00

会場
SHAREmeeシェアミィ市ヶ谷会議室 (JR中央線、メトロ南北線ほか「市ヶ谷」駅徒歩3分)
東京都新宿区市谷左内町27-1 LALLAビル2F

講座内容
・スペクトル音楽の背景〜音楽史的要因と社会的要因から
・ジェラール・グリゼイの音楽におけるスペクトル語法
・ジェラール・グリゼイ《タレア》(1986)の分析(以上、渡邊裕美)
・ジェラール・グリゼイの人と作品、10月17日のプログラムについて(夏田昌和)

聴講料
2,000円(当日参加も可能ですが、ご予約をお勧めいたします)
※日仏現代音楽協会会員は500円引
専門的な知識の有無に関わらず、興味のある方はどなたでも聴講可能です。

お申し込み・お問い合わせ
日仏現代音楽協会事務局



講師プロフィール

渡邊裕美 Hiromi Watanabe
作曲/サウンドデザイン


繊細な色彩の移ろいが生み出す仮想の音響空間を求め、電子音響音楽を中心とした音楽制作を行う。CCMC2011にてACSM116賞、Musica Nova 2017 (捷) ミクスト作品部門第1位を受賞の他、Banc d’essai 2013 (仏)、NYCEMF 2016 (米)、 ICMC 2016 (蘭) などにて作品が選出されるなど世界各地で作品が上演されている。
東京藝術大学大学院音楽学修士課程修了後、渡仏。電子音響音楽の制作を始める。2012年、パンタン音楽院にて審査員満場一致の最優秀で電子音響音楽のディプロムDEMを取得し同時にフランス音楽著作権団体(SACEM)より奨学金が授与される。2013年にはサン=テティエンヌ大学にてコンピュータ音楽の職業修士課程を修了。ロータリー国際親善奨学生。


夏田昌和 Masakazu Natsuda
作曲/指揮

1968年東京生まれの作曲家、指揮者。東京芸術大学及び大学院にて永冨正之、野田暉行、近藤譲の各氏に作曲、洗足学園大学指揮研究所にて秋山和慶氏他に指揮法を師事する。パリ国立高等音楽院にてジェラール・グリゼイに作曲、ジャン・セバスティャン・ベローに指揮を学ぶ。’97年に同音楽院作曲科を審査員全員一致による首席一等賞及び音楽院卒業生協会によるEbersold賞を得て卒業。出光音楽賞や芥川作曲賞、Goffredo Petrassi 国際作曲コンクール審査員特別表彰をはじめとする様々な賞を国内外にて受賞。アンサンブル・アンテルコンタンポランやフランス文化省、サントリー音楽財団をはじめとするより数多くの財団や演奏団体、演奏家より作品委嘱を受けている。

2018年9月3日月曜日

10/17 ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会(協会主催事業)

  2018年は近現代音楽史にとって極めて重要なふたりのフランス人作曲家、クロード・ドビュッシーとジェラール・グリゼイの、それぞれ没後100年及び20年のメモリアル・イヤーとなります。これを機に日仏現代音楽協会では、ドビュッシーとグリゼイの室内楽作品に会員作曲家の作品を加えた演奏会を企画し、皆さまにお届けいたします。




 19183月に55歳で没したドビュッシーと、199811月に52歳で没したグリゼイ。このふたりの早逝の天才は、「音色」や「響き」への着目、既存の形式に依らない統語法や時間構成の探求など、多くの音楽的興味を共にしています。しかし同時に、両者の間に横たわるおよそ80年という時の隔たりは、各々の時代ならではのアプローチの違いとなって現れます――すなわち、ドビュッシーが高次倍音を和声に取り入れ、古典的調性の中に旋法性や全音音階を導入したのに対し、グリゼイはスペクトル解析によって音色=和音を構築し、十二平均律の中に微分音程を導入したように。ふたりの作品を一夜に演奏することで、その共通点と差異とが明瞭に示されることでしょう。
 この演奏会では更に、パリ音楽院にてグリゼイに学んだ斉木由美と夏田昌和の作品、マルセイユにてグリゼイの弟子レジス・カンポに学んだ新鋭、山本哲也の委嘱作も披露されます。
フランスと日本のいくつもの世代を繋ぐ演奏会、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。


20181017日(水) 19:00開演18:30開場)
杉並公会堂小ホールJR中央線ほか荻窪駅 徒歩7分)
一般 3,000円 学生 2,500円 ※前売券の販売は終了しました
当日:一般 3,500円  学生 3,000円
日仏現代音楽協会会員は各500円引

プログラム:(太字は会員)
クロード・ドビュッシー :フルート, ヴィオラとハープのためのソナタ (1915)
ジェラール・グリゼイ:石碑 (1995) 2 Percussionists
山本哲也:カニュ(2018, 世界初演)- Violin, Cello, Piano
ジェラール・グリゼイ:アヌビス (1983) Baritone saxophone solo
斉木由美:アントモフォニー II (2003) Flute, Bass clarinet, Violin, Cello, Piano

ドビュッシー (夏田昌和, 台信遼編曲):『2つの前奏曲』(1909~13 / 2018) Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano
夏田昌和:呼び声 (2018, 日本初演)- Alto saxophone solo  
ジェラール・グリゼイ:プロローグ (1976) Viola solo
ジェラール・グリゼイ:タレア (1986) Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano


出演:(太字は会員)
斎藤和志(フルート)鈴木生子(クラリネット)大石将紀(サクソフォン)佐藤淳一(サクソフォン)鈴木真希子(ハープ)上野信一(打楽器)悪原至(打楽器)
松岡麻衣子(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴァイオリン, ヴィオラ)松本卓以(チェロ)
及川夕美(ピアノ)大須賀かおり(ピアノ)夏田昌和(指揮)



ご予約・お問合せ:
日仏現代音楽協会事務局 



主催:日仏現代音楽協会
助成:ローム ミュージック ファンデーション


◎日仏現代音楽協会では、コンサートに先立つ関連企画として、10月12日にジェラール・グリゼイの作品についての講座を予定しております。こちらもぜひ併せてご参加ください。