1918年3月に55歳で没したドビュッシーと、1998年11月に52歳で没したグリゼイ。このふたりの早逝の天才は、「音色」や「響き」への着目、既存の形式に依らない統語法や時間構成の探求など、多くの音楽的興味を共にしています。しかし同時に、両者の間に横たわるおよそ80年という時の隔たりは、各々の時代ならではのアプローチの違いとなって現れます――すなわち、ドビュッシーが高次倍音を和声に取り入れ、古典的調性の中に旋法性や全音音階を導入したのに対し、グリゼイはスペクトル解析によって音色=和音を構築し、十二平均律の中に微分音程を導入したように。ふたりの作品を一夜に演奏することで、その共通点と差異とが明瞭に示されることでしょう。
この演奏会では更に、パリ音楽院にてグリゼイに学んだ斉木由美と夏田昌和の作品、マルセイユにてグリゼイの弟子レジス・カンポに学んだ新鋭、山本哲也の委嘱作も披露されます。
フランスと日本のいくつもの世代を繋ぐ演奏会、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
フランスと日本のいくつもの世代を繋ぐ演奏会、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
2018年10月17日(水) 19:00開演(18:30開場)
杉並公会堂小ホール(JR中央線ほか荻窪駅 徒歩7分)
当日:一般 3,500円 学生 3,000円
日仏現代音楽協会会員は各500円引
プログラム:(太字は会員)
クロード・ドビュッシー :フルート, ヴィオラとハープのためのソナタ (1915)
ジェラール・グリゼイ:石碑 (1995) - 2 Percussionists -
山本哲也:カニュ(2018, 世界初演)- Violin, Cello, Piano -
ジェラール・グリゼイ:アヌビス (1983) - Baritone saxophone solo -
斉木由美:アントモフォニー II (2003) - Flute, Bass clarinet, Violin, Cello, Piano -
ドビュッシー (夏田昌和, 台信遼編曲):『2つの前奏曲』(1909~13 / 2018) - Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano -
夏田昌和:呼び声 (2018, 日本初演)- Alto saxophone solo -
ジェラール・グリゼイ:プロローグ (1976) - Viola solo -
ジェラール・グリゼイ:タレア (1986) - Flute, Clarinet, Violin, Cello, Piano -
出演:(太字は会員)
斎藤和志(フルート)鈴木生子(クラリネット)大石将紀(サクソフォン)佐藤淳一(サクソフォン)鈴木真希子(ハープ)上野信一(打楽器)悪原至(打楽器)
松岡麻衣子(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴァイオリン, ヴィオラ)松本卓以(チェロ)
及川夕美(ピアノ)大須賀かおり(ピアノ)夏田昌和(指揮)
松岡麻衣子(ヴァイオリン)甲斐史子(ヴァイオリン, ヴィオラ)松本卓以(チェロ)
及川夕美(ピアノ)大須賀かおり(ピアノ)夏田昌和(指揮)
ご予約・お問合せ:
日仏現代音楽協会事務局
主催:日仏現代音楽協会
助成:ローム ミュージック ファンデーション
◎日仏現代音楽協会では、コンサートに先立つ関連企画として、10月12日にジェラール・グリゼイの作品についての講座を予定しております。こちらもぜひ併せてご参加ください。